フライフィッシングとアウトドアが大好きな、一昔前の少年が竹竿屋をやってます。
2011.12.31.Sat 妥協せず。

 やっと今年最後の作業が終わりました。
今年最後の作業は、ラッピングとブランク塗装となりました。
  →俗に言う仕事納め(?)

と、言っても明日(元旦)の午前中も、
ラッピングとブランク塗装の重ね塗りはサボらずにやります。
  →仕事初め(?)
  →でも仕事終わりと初めが一日違いでは、
   いつもと一緒ですね(笑)

この作業(糸巻き部のラッピングと塗装)は、
薄く回数を塗り重ねるほど仕上がりが良くなるのです。。。

したがって根負けせずにどれだけ薄く重ね塗りできるか?
(塗り間の乾燥時間も確保しながら・・。)
が仕上がりの結果を左右します。

ので、大晦日、元旦関係なく必死にやります。
  →この竿を仕上げて、初釣りで使いたいのです
  →単に釣りに行きたいだけかも?

でも、竹竿製作で根負けして上手くいく作業工程は一つもなし。

 ・集中力を切らさずに約2mの竹を繊維に沿ってまっすぐに割れるか?
 ・上下左右にS字に曲がった硬い節をじっくり熱を入れまっすぐにできるか?
  (あせって熱入れが中途半端では曲がりを修正しきれない)
 ・ピンピンに研いだカンナの刃の出しろを微調整して削れるか?
  (歯の研ぎと出しろの調整が削りを左右する)
そして、
 ・均等にそして埃などに注意を払いながらの塗装。
   塗装前にブランクをチェック。埃があれば、マスキングテープ取る)
 ・埃と表面張力と戦いながらのラッピング
   塗装と同じく埃チェック。あればマスキングテープで取る。
   そして重ねの回数が進むほど薄く表面張力で塗るのです。
   竹べらにつけた塗料の量と竹べらと塗る表面との距離感で
   出来栄えがきまります。(数値で表せ切れない量と距離)
  →スミマセン。やった事のある人しかわからない表現となってしまいました。

などなど、

実際は作業工程の中では、もっとあります。
(書ききれないものや私が未だに気づいていない課題や事象。)
全ての作業工程が根負けや妥協は許されないはずです。

12年(明日ですね)は今年以上に根負けせずに竿を造り込みます。
  根負けしたり、妥協したり、
  自分で気づいていない課題
  がある作業工程は、
  やっていてスッキリしないです。
  (納得する仕上がりにならない)
  それを超えて全ての作業工程をスッキリさせたい。

そして、
私が全てにおいて根負けせず(妥協せず。)
完成したkazu rodを12年はお披露目したいと思います。
(気合入れて造ります!)




   長男「お父さん。もう少ししたら初詣に行こう!」
   
   私 「え(寒いのに・・・。。)」

   長男「お父さん気合足らんなぁ~」

   私 (あかん、いきなり挫折感)

 



| 22:36 | - | My Concept |

2011.12.26.Mon 行く年、来る年

少し早いですが、私の行く年来る年。

私のこの一年を振り返ると、

今年で、竹竿製作をはじめて2年目
ヤマメ用プロトタイプが完成し、竿が形になりはじめ、
テーパーや仕上げ塗装など、
各工程、細部での、kazurod完成に向けての具体的課題が
見え始めた年となりました。

もう一つは、多くの釣り場に行く事ができました。
北は山形県、南は宮崎県までの遠征ができ、
行くとところ、行く所で
違う表情をした、ヤマメやあまご、鱒達と出会えた事、
さまざまな釣りの場面での経験や更なるキャスティング技術の向上など
よいロッドを作るための課題を認識する機会となりました。
そして釣りの醍醐味に加え、きれいな景色、おいしい食べ物やお酒は、
とても良い思い出となりました。

そして、竹竿製作や釣りを通じて多くの先輩や友人と出会えました。
この事は単に新しい先輩や友人ができたと言うことだけでなく、
自分の生き方や考え方に良い意味での影響を与えていただきました。

まとめると、釣りと竹竿製作が一段と好きになり、
ビルダーになるための課題が明確になった一年となりました。
(そして人間的にも少しは成長できた?かもしれません)

来年は、竹竿製作のベースとなる、
釣りの経験と、キャスティングの技術向上に更に力を入れること。
そして釣りやキャスティングで得た経験感覚を基に竿を作りこみ、
自分の納得した竿を完成させる。
そんな一年にしたいと思います。

よし!まず手始めに年末もC&R区間で、
シビアな釣りにチャレンジしてきます。


  妻「釣りもいいけど、蛍光灯の交換と網戸洗いはいつするの!」

  私「あ、あ、あしたしようか」(汗)

    一番大きな課題に気づいてなかった(妻にはナイショです)
    


| 04:30 | - | My Concept |

2011.12.19.Mon キャス練

 寒〜いですね。


今のキャスティングの課題は、
   ・振りの面
   ・バックキャストの待ち
   ・手首の固定
   ・力の入れ加減

TighitなLoopが走ることもあれば、
スラックス、ネジレが入ることも。
コツがわかりかけているが、十分ではない。
わかっているような、わかっていないような微妙な状況でしょうか・・。
(でもこのあたりがキャスティングの難しいところ)

真似(イメージ)が大事と思い、
最近よくDVDを時間があれば見ている。

     

「Fly Casting Basics」(東知憲)
別に宣伝するわけではありませんが、
基本的は身体の動きを、良い例悪い例をおりまぜて解説している
(基本を固めるのには良いです)

今日も見ていると珍しく家族が集まってきた。
   長男:お父さんやってるのと同じやん
   私 :この人上手いんやで、
      ほら、ラインが真っ直ぐに走っているやろ
   妻 :ほんと、ナミナミ(波波)になるのはあかんのやね
 (えらく、興味を持ってくれて私はご機嫌。
  妻のスラックス=ナミナミの表現もなかなか面白いやんと関心)


その後、いつものように家の前でキャス練開始

   OK、NG(スラックス)、OK、OK、NG(ネジレ) ・ ・ ・

  なんとなく感覚をつかめつつあるが、安定しない。。。


   OK、OK、OK、NG(スラックス) ・  ・  ・

  きれいにいきだすと、緊張し余計な力がはいる・・。


   OK、OK、OK、OK、NG(スラックス) ・ ・ ・

  やはり余計な力が。 
  

と、その時二階のベランダから妻を顔を出し、
  妻:お父さん見ておいてあげるわ
  私:おー! 頼むで

   OK、OK、OK、NG(スラックス)・ ・ ・

  妻:お父さんナミナミやったよ。
  私:あ、ありがとう(わかってるわ!とは言えず)

  もういちど、(でもいきなり)

   NG(スラックス) ・ ・ ・

     (妻の目線に緊張し力んでいる)

  妻:お父さん今のもナミナミやったよ。
  私:(やりにくいな・・・。)

  もういちど、

   OK、OK、OK、NG(スラックス)

  妻:最初真っ直ぐやったけど、
    4回目がナミナミやったよー!←張りきっている。。。
     
     (やりにくい・・。)

  私:寒くなってきたからもう終わるわ

  妻:うん、ご飯にしようか
    でも、お父さんだいぶDVDの人に近づいてきたで。


     私にはえらそうに言うな!とは言う勇気はなく、

     今日は妻に完敗です。。。


| 05:07 | - | fly fishing |

2011.12.11.Sun ご褒美

鱒用プロトタイプの製作をはじめました。
昨日は竹割り。
Tip用5.5mmBat6.5mmに均等に真っ直ぐに割った竹を見て満足感と余韻の心地よさに浸りました。

実は竹割りを初めてやったのがちょうど2年前の12月。
(竹竿製作を始めたのも同じくこの時期)

1本目の竹割りを割ったときは、
この寒い時期に外での作業にもかかわらず汗だくになりが必死にやった。

当然ドテ感で割ったのではなく、
節の上下と更に節間に二箇所ぐらいピンピンに削った鉛筆で丁寧にマーキングをした。
そのマーキングに沿って、
且つ竹の表面に垂直に鉈が進むように少しづつ丁寧に割った。

にも関わらず左右にズレル、
鉈が傾き、断面が斜めに割れる、
力を入れすぎて手袋は破れる、
手には豆はできる。。。

あれから割った竹の本数は、トンキン、真竹合わせて15本程度。

今では、マーキングも節毎に1箇所程度で真っ直ぐに。
1/2の割りならマーキングなしでも真っ直ぐに。
割れるようになった。

そして断面はきれいな台形に
割れるようになった。

では数をこなせばきれいに割れるようになるか?
答えはNO!

集中力が欠けたり、一つ一つの手順を手抜きやいい加減な事をするとガタガタになる。
これは割りだけでなく全ての工程に言えること。


集中力や自分の決めた作業方法や手順を忠実且つ確実にやれるかどうかの方が出来栄えに大きく影響する。

常に集中し、手順や方法を熟慮し作業する事は正直大変です。
でもその大変な作業の結果、

真っ直ぐに均等に割った竹
曲げとりをして真っ直ぐ一直線になった竹
サンディングで美しくなった表皮
磨き上げ手にピッタリフィットしたグリップ
は、
作業後に心地よい満足感をくれます。

まさにご褒美です。


| 09:45 | - | My Concept |

2011.12.01.Thu 十分な時間やエネルギーをかけること

一昨日、久々に本屋に寄ると、
 Steve Jobs(アップル創業者)の本が数種類平積みに。

今年の10月5日に亡くなられ、
生前を偲びいくつかの書籍発行されている。

ふと、過去に何かの雑誌で、彼の言葉を切り抜きにしていたのを思い出し探しだした。

「多くの電化製品のデザインは複雑だ。我々は全体的に調和がとれシンプルなものをつくろうと挑戦している。
何か問題を解決しようとしたときに、最初に思いつくアイディアは複雑だが、ほとんどの人はそこで考えるのをやめてしまう。
ここで更に、問題を考え続け、たまねぎの皮を剥きつづければ、非常にエレガントでシンプルな解決策で出会える。
ほとんどの人は、そこに到達するのに“十分な時間やエネルギーをかけていない”」
(一部簡略)

このとき私は、感銘を受け、
“十分な時間やエネルギーを自分のやるべき事にかけているか?”
と自分に問いかけた。
答えは、No

社会人(会社勤め)になって何年か経過し、
ちょうど仕事にも慣れ、
要領も覚え、
自分のやるべき事を流している事(惰性的、表面的な感じ)に反省と後悔を感じた。
仕事は大きく失敗しないが、成果もほどほどだった。
でも、なんとなく、心の中がもやもやしている感じで、
すっきりしていない最近の自分にも気づいた。
(自分のやっていることに自分が納得していなかったと思う)

以降、自分なりに、
拘りを持ち、
必要な時間やエネルギーは十分にかけるようにした。
そして自分が心の底から納得しているか?
を基準にやるようにしてきた。
こんな経過の中で、フライフィッシング、
そしてバンブーロッドビルドと出会い二足のわらじを始めた。


結果、周囲との摩擦が起こる事もあったが、良かったことも多々ある。

・心のもやもやはなくなり、自分自身が気持ちよく過ごせるようになった。
 (物事を中途半端にやる事は自分を傷つける事と思う)
・自分が気持ち良いと周囲にもやさしくなれた。
・その結果、家族との関係も更にHappyになった。

周囲からは見えないかもしれないが、私自身の人生の大きな転機になった言葉となった。


なんて、妻にはなしたら、

  妻「Steve Jobsに似てるかも」

  私「え、どこが?」

  妻「Steve Jobsは外ではすごいけど、家で妻には頭が上がらなかったそうよ」

  私「・・・・・」




| 05:09 | - | My Concept |


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