フライフィッシングとアウトドアが大好きな、一昔前の少年が竹竿屋をやってます。
2024.01.21.Sun 糸巻き/Thread winding.

少し遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します。

 

ブランクの作業終わり、糸巻き(ガイド取り付け)を待ったロッドの作業に入ります。

 

7‘9“#4−5 Trout、6‘6“#3−4 Amagoの2本です。

 

Troutは激流+大鱒用に今年完成を目指す1本、Amagoは関西の渓流をテンポよく釣り上がり、尺上もスムーズに取り込む1本に仕上げる予定です。

 

季節が春めいたら、フィールドテストの様子をアップします。

 

乞うご期待!




2020.10.04.Sun 糸巻き

糸巻き、

 

あまり好きなではないが、ガイドを固定する目的の他に、

ロッドのお化粧となる大切な作業。

 

曲げとりとこの糸巻き、

そして糸巻き後に、糸とガイドを固定するラッピングの

作業に共通しているところがある。

 

それは作業中の要所要所で息が止まっていること。

 

糸巻きで常に同じテンションとピッチで巻き続けるとき、

 

曲げとりで竹が動き出す瞬間を捉えて、修正するとき、

 

ラッピングで塗料をキワ、ギリギリに塗る時。

 

どれも息が止まっている。

 

やり切った後の、ため息の爽快感が忘れられず、

やっているのかもしれないけど。


 




2013.10.16.Wed 雨の日は・・。


今日は
おとなしく
糸巻きに精出します

夏場の雨は、
湿度があがり
ベタベタで最悪です
汗がスレッドについたり
ブランクにも手の汗がついたりと

この時期になると
雨もなかなか良いものです

一日どっぷりと
工房で過ごす

なかなか粋なもんです

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2013.09.01.Sun サンドイッチ

食べれなくてすみません。 コルクに接着剤をサンドイッチしてます。 良いコルクを選別し 面を水平にしてから 接着剤をつけブランクに ギュッと押し込みします。 じっくり乾燥後に手技で整形して グリップ完成です。 ので、この作業だけでも1週間かかります。 やっぱりバンブーロッドは手強いやつです。



2013.05.08.Wed 寝る前のMeditation (瞑想)


ロッド製作の最終工程、
糸巻き〜ラッピングやってます。

ガイドの固定や
飾り巻きをスレッド行い、
樹脂系塗料を何度も塗り重ね
固めていきます。
でもこの作業はとても厄介
スレッドが均一に巻けている事
樹脂系塗料が均一であること、
ほこりがついている事などは論外です。
そのレベルは、
単に肉眼で眺めて確認する
ようなレベル感ではなく、
スレッドの均一性や
樹脂系塗料のムラ
ほこりの有無を
拡大鏡でチェックします。
スレッドを巻くときの
テンションの微妙なバラツキさえ気になります。
もちろん、手の汗や
スレッドカット部のケバなども
NGです。

まずは、糸巻きから、
息を止め、
左手でブランクを回しながら、
右手でスレッドにテンションをかけ、
ブランクの上におくように巻いていきます。
(ゆるくてもNG、張りすぎてもNG)
あと、6回転を残して
5Xのティペットで作った輪っかを
スレッドに巻込み
そこにスレッドの端を通して止めます。
端をデザインカッターをあててカット。
微妙なスレッドのピッチ、ブランクとの垂直を確認。
この間、ほとんど息をせず一気進めます。
この作業をガイドの両サイドと
飾り巻きを一本分黙々と進めます。

そして、ラッピング
モーターにブランクをセット。
ライトを両サイドから当てて
スレッドや付近のホコリをチェック
ホコリや疑わしきは、
マスキングテープで取ります。
樹脂系塗料を調合し、
いよいよ一回目のラッピング。
また、息を止めてガイドの両サイド、
飾り巻きのスレッドに樹脂系塗料を
薄く均等に乗せていきます。
これから、一日一回
ホコリのたたない
他の作業の終了後、
寝る前に
12回、12日間この作業を続けます。

バンブーロッドビルドで
集中力のいらない工程はありませんが、
この工程は心底雑念を払い、
集中しないと成しえない作業です。
まさに、瞑想(Meditation)状態で作業をやります。
 
        P1000034.JPG

  妻「寝る前に瞑想するのって、健康に良いそうよ」
  
  私「ちょっと違うんだけど・・なぁー(苦笑)」



2012.10.22.Mon 悩み事

更新できてませんでした。

  (スミマセン)

少し悩み事あり、

何かと言うと”グリップデザイン”です

ありきたりでは面白くないし、

あまりに奇抜で使い勝手が悪ければ本末転倒・・・。

アイディアはいくつかありますが、
考えるほど、
色々な事が気になり
考えが収拾つかない状態になっています

こだわりだすと、
もっとこだわりたいし・・・。

でも、こんな時ほど、

時間や効率などを優先せず、
試行錯誤して、
心底納得のいく、
良いものにすべきです。

  急がば回れ、

  慌てる乞食は貰いが少ない

ので、引続き悩みます。



2012.03.09.Fri 塗装中

塗料や塗装(塗り方)のテストも色々やりました

オイル数種類、ウレタン、ラッカー、本漆・・・・
はけ塗り、拭き上げ、浸けたりと。

どれを採用するか悩みどころ。

耐久性はもちろんですが、アクションへの影響、仕上がりの趣などなどトータルでのできばえがほしいのです。
服に例えると
カジュアルだから、
フォーマルだから、
みたいな区分でもなく、
ブランド品だから、
ノーブランドだから、
みたいな区分でもなく、

もちろん作業の手間がかかる、かからないでもない。

使っていて、機能的で心地よければそれがベスト。
それがが選択基準です。

そんな基準で選んだのがオイルと樹脂系塗料のハイブリッド。
そして拭き上げ

薄く薄く思いをこめて毎日塗り重ね。

少しずつ表面が仕上がりに向かって変化していく。
これが毎日の楽しみ。
ご褒美です。



2012.03.04.Sun グリップ


今日はグリップ成型。

グリップデザインは、悩み事の一つ。

使いやすさもさることながら、
ありきたりのデザインでは納得できない。
やっぱりオリジナリティーを。

今あるデザインも、

 シガー、ハーフウェル、ゴードン、リッツ・・・・・。

書き出すと切がないほど、
ありとあらゆる形がある。

したがって、使いやすさとオリジナリティーを兼ねた形なんかないのかも・・・。

そんな事を思っても
人の真似ぽいのは嫌なので、
コルクまみれになりながら今日も削ります。


           2012030409350000.jpg


そして今日、ついに切り札を出しました。

kazu rodのスーパーデザイナーの
妻と子供二人に、
「好きな形で竿の持つところの絵を描いて。
上手く書けたら、お寿司おごるから・・。」

あまりの奇抜さにお見せできないかもしれませんが・・・(笑)



2011.11.25.Fri 草木も眠る丑三つ時

 草木も眠る丑三つ時

今日は怖い話しです。
(幽霊?)

毎夜毎夜、
こんな時間にひとりで何をしているか?
妻も始めは「こんな時間に何してるの?」聞かれました。
(夜中に怪しい。とばかりに)


      

実はラッピング。

丑三つ時(夜中の1〜3時ごろかな)は、
草も木も、そして私の家族も世間も寝静まる時間帯

ホコリを嫌い、ラッピング作業にはうってつけの時間帯となります。
 → 人が少し動くだけでもホコリはたちます。
 → 静かなので集中もできますね

ラッピングにはこれでもか!
というほど神経を使います。
(ロッド製作で神経を使わない工程などありませんが)

ラッピング工程が始まる前には、
日中のうちに作業台の上、周辺の掃除をします。
(作業の間際に掃除をすると余計にホコリがたちます)

そして、静かな夜中(or早朝)に
息を止め、薄く均一に、
塗りを何度も何度も重ねていきます。


1本目ロッドのラッピングをやったときのこと、

ほこりを嫌うのは認識していたが、
作業台の周辺をきれいにすればOKぐらいの認識だった。
(それも作業開始直前に掃除をしたので余計にホコリ舞い上がっていた)

結果は最悪の状態に、
何箇所かにホコリがつき、
ホコリが気になるので集中力も散漫になり、
塗りの厚さもまだらに・・・。
愕然、
全て一からやり直しました。

ここまで必死に作ってきた大切なロッドを
ここで中途半端な作業で
終わらせるわけにはいきません!!


そんな経験からラッピングは、「草木も眠る丑三つ時」なわけです。

私は“幽霊”よりも“ホコリ”がこわい。。



  妻「でもそんな時間に起きてて、ほんとに幽霊がでてきたらどうする」

  私「ホコリが立つから動くな!!」て怒鳴ると思うわ

  妻「そんな人、世界でひとりやわ」
    



2011.09.28.Wed 塗装

プロトタイプが完成し、
その中であぶり出した、
改善点や課題点の検証、実験をやっている。

その中の一つが塗装。

塗装には多くの種類や方法がある。
ウレタン、オイルなどの材料の種類
どぶ漬け、筆塗り、ふきあげなどの方法など。

私が今、テストしているのは、漆。

もちろん人工ものではなく、天然もの。

取り扱いが難しく、
非常に根気を要する材料と聞いた。

人によっては、カブレルとも聞いた。

その一方で、
漆塗りの道具や器を見ると非常に美しく、上品である。

この美しさ、上品さをkazu rodに刷り込みたい。

取り扱いが難しいと言われると、余計に燃える。

そんな思いからテストを始めた。

まず初めに、やったテストは、パッチテスト。

私は、カブレないか?

漆を購入した店で聞いたところ、
「皮膚に付いた時はすぐに洗い流してください。
体質によってはひどい事になりますから・・。」
少し怖くなった。

ひどくカブレルようでは、
一生続けたい竿作りの中で、
漆と付き合い続けるのは難しくなる。

緊張しながら、
腕に少量の漆をつけた。
ひどくなると怖いので、
少し時間をおきふき取る。

徐々に痒くなり、
赤く・・・・・。

しかし蚊に刺された程度で済んだ。

よし!
これで使える!

まるで竿ができたようにうれしかった。

原液の管理方法、
塗り方、
色選び、
乾燥条件
・・・・・。

これからやる事は山ほどあるが、
漆の美しさと上品さを竿に刷り込むためには、
安いことである。

kazu rod完成までは、まだまだかかりそうです。
もうしばらくお待ちください。




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